
株主・投資家の皆様へ

株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
このたび、シキボウ株式会社の社長執行役員を拝命いたしました鈴木睦人(すずき よしひと)でございます。シキボウグループの「成長への変革」のために全力を挙げて取り組む所存でございます。今後ともご支援ご鞭撻賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、当社グループの第212期(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の年次報告書をお届けするにあたり、当連結会計年度の概況につきましてご報告申し上げます。
当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇継続等の影響により、一部に足踏みが残るものの、雇用・所得環境の改善もあり、経済活動は総じて緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、ウクライナ情勢や中東情勢悪化の長期化、アメリカの通商政策、原材料やエネルギー価格の高止まり等、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような経営環境のもと、当社グループは、中期経営計画「ACTION22-24」において、長期ビジョンの実現に向けた成長スピードをさらに加速させることとし、最終年度となる本年度も新たに創ること、新たに取り組むことに挑戦いたしました。
「経営基盤の強化」としては、新中核事業と位置付ける化成品事業において主力の食品用増粘安定剤の販売拡大に向けた株式会社シキボウ堺の新工場が2025年1月に竣工し、生産増強体制が整いました。また、リネンサプライ事業では、2023年12月に竣工したシキボウリネン株式会社岩出第一事業所の新工場はインバウンドによる需要増への体制が整い、フル稼働しております。海外市場の開拓については、台湾、ベトナムの拠点整備を進めました。以上の結果、売上高は390億87百万円(前期比1.0%増)、営業利益は13億46百万円(同5.8%減)、経常利益は設備投資等の資金調達に伴うアレンジメントフィーの発生や為替差益の減少等により10億47百万円(同20.8%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として政策保有株式の売却益を計上したことにより、9億14百万円(同14.2%増)となりました。
中期経営計画「ACTION22-24」の最終年度売上は前年を上回りましたが、営業利益は前年比減収で、2024年10月末に修正した業績予想並みの結果となりました。原材料やエネルギーなどのコストアップや円安の継続、事業によっては市況低迷などの影響を受けたことにより、上期決算後に通期業績予想を下方修正いたしましたが、下期は概ね想定通りに推移いたしました。大きな課題として位置付けておりました経営基盤の強化という面では、次のステージへ飛躍する当社グループの足元を固めることができました。
本年度当社グループは、新たな中期経営計画「TG25-27」をスタートさせており、稼ぐ力の向上を基本方針の一番目に掲げております。各部門ともに新たな方針、戦略に沿って着実に取り組みを進め、さらなる経営基盤の強化とともに「成長への変革」の達成により、稼ぐ力の向上を実現させたいと考えております。今後も株主の皆様への利益還元をさらに重視し事業基盤の強化を図りながら皆様のご期待に応えてまいります。
当社グループでは、株主・ステークホルダーの皆様方に支持されるよう、安心・安全・快適な暮らしと環境にやさしい社会の実現をめざす企業として、社会的責任を果たしつつ、企業価値の向上をめざしてまいります。
株主の皆様におかれましては、引き続きご支援とご理解を賜りますようお願い申し上げます。
2025年6月